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街に戦車がやって来た by Teru
9月19日、僕は外での仕事を済ませ、22時頃にオフィスに戻った。しばらくすると、オフィスの電話が4、5回連続でなったが、毎回1度呼び出し音がなると、電話が切れてしまうのでオフィスの電話が壊れてしまったのかなと思い、電話をチェックしている時再び呼び出し音がなったので、すぐに着信のボタンを押した。その日本からの仕事の電話で僕は初めて、現在住んでいるこのバンコクに異変が起きている事を知らされた。『陸軍の戦車が総理府の前に横付けしているそうですが、、、、』『えっ!!』。 そう、この日タイではソンティ陸軍司令官を首班とするクーデターが勃発していたのだ。 早速、オフィスのTVをつけてみると、全ての局が同じ王様の映像を流していた。 次の日、僕は取材で戦車が止まっているというラチャダムヌン付近に行く事になった。危険地帯なので人も少なくガランとしているだろうと思いつつ近づいていってみると、今日は休日の為バンコク中が渋滞していないのに、ラチャダムヌン付近だけが大渋滞していた。車があまりにも進まないので車を降りてドキドキしながら歩いていくと、どんどん人が増えていき、やっと戦車が並んでいる場所にたどり着く事ができた。僕はその光景を見てびっくりした。まるで何かのお祭りの様に人があふれ戦車の前では人々がカメラ付き携帯やデジカメで記念撮影に興じ、観光地と化していた。14年前にタイで起きた数万人規模の反政府デモでは沢山の人々の血が流れ、まだタイ人の記憶に残っているはずなのだが、そんな事は気にもせず、クーデターの起きた次の日に一番危険とされるエリアで女性、子供達も乗用車でやって来て記念撮影をし、兵隊さんに差し入れを渡し、その光景はまさに平和そのもので、さすがタイ人だな。。と改めてタイ人の大らかさに驚かされてしまった。 今回のクーデターは『ホワイトクーデター(血の無いクーデター)』と呼ばれ、BBCでは『世界一平穏なクーデター』と報道された。22日にはサイアムセンターの前でチュラロンコン大学関係者により今次政変の手法に抗議の意思を表明する為の集会が行われ、現在5名以上の集会が禁止されており、当局が集会を制圧するような事態が発生する恐れがある、とのことで多数の報道陣が集まったが、軍も近くまでは来ていたが特に干渉せずに穏便に終わった。 現在も街中で兵隊が警備をしており、戦車もまだ街中に止まっているが、戦車を見かけた学生たちは「ヒュー」とはやしたて、兵隊たちも微笑みを絶やさず、市民の差し入れを受け取ったり、記念撮影に応じたりしている。 こんな状況の中でも、市民も兵隊も微笑みを絶やさず、ここタイランドは本当の意味で『微笑みの国』なんだな、、この平和と統率は、この『微笑み』からきているんだな、と実感させられるクーデターでした。 |
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VOL. 45の内容 Vol.45
Top 在タイ20年 ジャーナリストM.Kさんの「クーデター」 |